地元だけで盛り上げようとすると、観光はうまくいかない――外の視点の重要性

ホテルで働く人へ

こんにちは。沖縄・恩納村でリゾートホテルを経営している高井司です。
京都・沖縄でホテル業界5年の経験をもとに、旅行好きの方・ホテルで働く方に向けて、
ホテルと旅行のリアルを発信しています。


少し挑発的なタイトルですが、これは私自身の経験から来ている話です。

地元の人だけで地元を盛り上げようとしても、うまくいかないことが多い。


日常は、価値に気づかせてくれない

私は京都出身です。

京都に住んでいたとき、金閣寺は「そこにあるもの」でした。特別に興味を持つこともなく、観光客で混んでいる場所という印象。

でも外から来た観光客は違います。時に、地元の私よりも金閣寺の魅力を知っていることがありました。

沖縄に来たとき、私は海の美しさに感動。エメラルドグリーンの透明な海・花粉がない心地よい気候・離島の静かさ。すべてが非日常でした。

でも地元の人にとって、それは日常です。毎日見ているものは、当たり前になります。当たり前になったものの価値には、気づきにく。

地元の人がいつも見ているものが、外の人にとっては非日常で、価値あるもの


外の視点を持つ人が見えているもの

私が沖縄で気づいた価値をシンプルに挙げます。

・沖縄の海の綺麗さ
・花粉がないことによる心地よさ
・離島の静けさ(都会では絶対に手に入らないもの)
・ゆったりとした時間の流れ

これらは地元の人にとって当たり前すぎて、価値として見えていないことが多いです。

でも東京で忙しい毎日を送っている人にとって、この「何もない時間」は最高の贅沢です。

また、遠くから来る人ほど、価値を高く感じます。忙しい日々を送っている人ほど、沖縄の静けさに価値を見出します。外の視点を持つ人だからこそ、その価値が見える。


地元だけでやるとよくある失敗例

地元の人だけで観光事業をやるときに、よくある失敗があります。

「観光客が欲しいもの」ではなく「地元の人が好きなもの」を売ってしまうことです。

例えば、地元しか知らないよくわからない食べ物をおすすめする。でも多くの観光客は、知らないものには手が出せません。事前に知っているものを体験したい、という方が多いです。

シークワーサーが全く売れなかった話

沖縄で有名なシークワーサー。地元の人には馴染み深い果物です。

でも海外の方にはシークワーサーが何かすら分かりません。結果、全く売れませんでした。

地元側の自己満足や、相手のことを理解していない体験・販売はうまくいきません。特に一見さんが多いエリアでは、1日で売れないものは1週間経っても1か月経っても売れません。

観光客が何を求めているかを理解するには、外の視点が必要。


何もサービスを変えずに価格を上げた話

私のホテルで実際にやったことをお話しします。

引き継いだ当初、ゲストの8割が日本人・2割が海外の方でした。

私がやったのはシンプルなことです。

外の視点を持つ人がいるプラットフォームで販売する。そのエリアを狙った広告をかける。

それだけです。サービスの内容は何も変えていません。

でも結果として、価格を上げながら海外の方を集客できました。

ただ、沖縄の価値を高く感じてくれる人に、届けるようにしただけ。

観光においては、遠くから来る人ほど価値を感じてくれる。忙しい日々を送っている人ほど沖縄に価値を感じてくれる。その人たちに届けるだけで、同じホテルが全然違う価値を持つ。

今では海外ゲスト7割・日本ゲスト3割のホテルになっています。


これは観光だけの話ではない

この考え方は、観光以外にも当てはまります。

地方の飲食店・農業・伝統工芸・地方創生、すべてに共通する話だと思っています。

地元の人がずっとそれを見てきた結果、固定観念が生まれます。「これが普通」「これが当たり前」という感覚です。外の情報を取りに行っていない人ほど、その固定観念が強くなります。

ただし、外の情報を積極的に取りに行っている人は別。一度外に出ることで、地元の魅力に気づくことがあります。

私自身、京都を離れてから初めて気づきました。石畳の街並み・桜・古い建物。当たり前だと思っていたものが、実は世界に誇れる価値だったと。

つまり大切なのは「地元か外か」という出身ではなく、外の視点を持っているかどうか


外に出るか、外の視点を取り入れるか

最後に。

地元で観光の仕事をしている人・地方創生をしている人・ずっと同じ会社や分野にいる人へ。

一度外に出てみてください。または、外の視点を持つ人を取り入れてみてください。

そうしないと、新しいイノベーションは起こせません。

固定観念を取り払うには、外の視点が必要です。外に出るか、外の視点を取り入れるか。どちらかを必ずやってみてください。

意外にも、地元の魅力は、外の視点を持つ人が一番よく見えています。


まとめ

・日常は価値への気づきを鈍らせる
・外の視点を持つ人こそ、地元の価値を発掘できる
・観光客が欲しいものと地元が売りたいものは違う
・外の視点を持つ人に届けるだけで価値は変わる
・大切なのは出身ではなく外の視点を持っているか
・外に出るか、外の視点を取り入れるか

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
このブログでは、旅行好きの方・ホテルで働く方に向けて、
ホテルと旅行のリアルを発信しています。
次回の記事もお楽しみに。
沖縄・恩納村のリゾートホテル支配人兼代表 高井司


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